2000年頃に一大ブームとなったサンセベリア(サンスベリア)は、葉色や葉姿、模様など様々で、とても魅力的なインテリアプランツです。そんなサンセベリアが「斑(ふ)入り(variegata)」になると、その鑑賞価値はさらに高くなります。流通量が極めて少ない斑入り品種も存在し、コレクション性も非常に高くなっています。
ここでは、そんな斑入りサンセベリアの魅力や育てる際の注意点についてお伝えします。
「そもそもサンセベリアの管理ってどうすればいいの?」という人はこちらを参考にしてみてください。
「サンセベリアってどんな種類があるの?」という人はこちらを参考にしてみてください。
斑入りサンセベリア(サンスベリア)の入手方法
サンセベリアの斑入り品種は、普及種(ローレンティーやゴールデンハニーなど)を除くと、一般的な園芸店ではほぼ見かけることはないと思います。そのため、レア種に強い専門店やネットでの購入が基本になると考えてください。
メルカリやヤフオクなどを見ていくと、いろいろな品種の斑入りが出品されています。流通量の少ない品種も多いので、出品されているタイミングで購入しないと二度と出会えないという可能性もゼロではありません。「コレだ!」と思える株(個体)を見つけたら、早めに購入することをお勧めします。
ネットで購入する際には、出品者の情報はしっかり確認することをお勧めします。最近は多くないとは思いますが、「写真と全く異なるものが届いた」などのトラブルが起きないとも限りません。できる限りの自己防衛を心がけましょう。
斑入りサンセベリア(サンスベリア)の魅力
室内を明るく彩る明瞭なコントラスト
斑入りサンセベリアの特徴は、緑の地色に鮮明に入る白色や黄色の斑によるコントラストです。中でも白斑は光をよく反射し、株全体の見た目が明るくなるため、置いた空間の印象を明るくしてくれます。単純にその株が美しいだけでなく、インテリアの一部として視覚的なアクセントとなり、美しい室内空間を演出できます。
斑の入り方が株ごとに異なり、コレクション性が高い
斑の入り方には、
- 覆輪斑(ふくりんふ)…葉を縁取るように斑が入る。
- 中斑(ちゅうふ)…葉の中央に斑が入る
- 糊斑(のりふ)…斑の部分とそれ以外の部分の境界がぼやけているタイプの斑。全体的に白っぽく見える。
など様々なパターンがあります。
この斑の入り方は、種によってパターンが異なるだけではなく、
- 斑の幅
- 対称性
- 濃淡や輝度
といった点が株ごとに異なります。全く同じ斑の入り方をした個体は存在しません。そのため、「葉の形・模様・地色」の組み合わせを選び抜き、「自分が気に入る斑の入り方を持つ株を探し出しコレクションしていく」という楽しみ方が可能です。
育成環境のバロメーターになる
サンセベリアの斑は育てる環境によって発色や鮮明さが変化します。特に、以下は斑の鮮明さに直結します。
- 根の張り具合…根がしっかり張り、軽い根詰まりくらいだと斑が鮮明に。根張りが弱いと斑が不鮮明に。
- 光量…光が強すぎると葉焼けし、暗すぎると緑っぽく斑が不明瞭化。
- 施肥・水管理の具合…肥料過多(特に窒素成分)と水分過多のセットにより斑が不明瞭化。
斑の状態を観察することで、こういった「育成環境の良し悪しを視覚化してくれる存在」として育成管理の質を高めることが可能です。
斑入りサンセベリア(サンスベリア)の注意点
成長の遅さは覚悟する
サンセベリアは、そもそも地上部の成長がゆっくりである種が多いです。これが斑入りとなると一層成長は緩やかになります。斑が入っている分、光合成できる葉の面積が減り、光合成効率が悪くなるのでこればかりはどうしようもありません。葉姿が乱れにくく、美しい草姿を長く楽しめるとポジティブにとらえ、インテリアグリーンとして大切にしてあげてください。
暗すぎる場所で管理して徒長させてしまうと仕立て直しが困難ということにもつながります。育成環境(光量不足や水、肥料のやりすぎ)には十分注意してくださいね。
葉焼けリスクが高い
成長が遅く仕立て直しが困難な斑入り品種は、できるだけ明るい場所で管理したいところです。ですが、葉緑素が無い(少ない)斑の部分は光が強すぎると簡単に葉焼けしてしまいます。徒長しないが葉焼けもしない、そんなちょうどいい光の量を見極めるのが、斑入りサンセベリアを育てるうえで一番重要と言えるかもしれません。
肥料は少なく、鉢のサイズは小さめに
サンセベリアの斑は、根の張り具合によって鮮明さが大きく変わります。斑なし品種よりも小さめの鉢に植え付け、根に軽いストレスをかけておくようにしましょう。(実際、株分け後に斑がぼやけたり、鉢下げにより斑が鮮明になるという報告が多くあります。)
また、水や肥料(特に窒素成分)が多くなりすぎないようにも注意が必要です。これらが多いと徒長にもつながりますが、斑が不鮮明になる原因にもなります。
増やし方に要注意
斑入りのサンセベリアを増やすうえで注意したいのは「葉挿しで増やすと斑が消えることがほとんどである」という点と、「株分け時は通常よりも大きめになるまで育ててから株分けする」の2点です。
葉挿しで増やそうとしてはいけない
サンセベリアを簡単に増やす方法として葉差しがありますが、この方法で増やした場合は基本的に斑の入らない「青(あお)」と言われる株になると思ってください。ごく稀に葉挿しでも斑が継続するものもありますが、葉挿ししで増やそうとしないのが無難です。
株分け時は長めに親株に付けておく
サンセベリアは、環境さえ整えば子株もそこそこ吹いてくれます。その子株を株分けするのがサンセベリアの基本的な増やし方になります。斑入りでない基本種については、比較的早めに株分けしてしまっても問題なく子株が成長してくれますが、斑入り種は「小さいうちに株分けしてしまうと本当に生育が遅くなる」ので要注意です。子株が吹いた場合には、親株からの栄養をもらって成長できるように「子株側の根が充実するまで」は株分けせずにおいておきましょう。
子株が出る場合には斑が継続する確率が高くはなりますが100%ではありません。斑のない子株が出てきた場合は、早めに株分けして新たな子株に期待しましょう。
我が家の斑入り品種
1.ローレンティー・コンパクタ(Sansevieria trifasciata ‘Laurentii Compacta’)
サンセベリアの代表種であるローレンティーの矮性種です。流通量も多く、育てやすいので斑入りというよりは「初めてのサンセベリア」としてもおすすめです。
2.ゴールデンハニー(Sansevieria trifasciata ‘Golden Honey’)
こちらも流通量が多く、非常に入手しやすい種です。黄色の幅広の斑が美しい個体が多く見られます。サンセベリアの斑の美しさを存分に楽しめます。
我が家のゴールデンハニーについての詳細はこちらで紹介しています。良ければ合わせてみてみてください。
3.マッソニアナ(Sansevieria masoniana f. variegata)
マッソニアナの斑入りです。比較的流通している種なので、レア種にも強い園芸店であれば見かけることがあるかもしれません。葉数が少ない(1~3枚)タイプのサンセベリアなので、斑の入り方などをよく確認して、好みのものを選んでみてください。
我が家のマッソニアナについての詳細はこちらで紹介しています。良ければ合わせてみてみてください。
あなたも是非斑入りに挑戦しよう!
サンセベリア(サンスベリア)の斑入り品種は、非常に観賞価値の高い観葉植物です。商業的に栽培されている一部品種(ローレンティーやゴールデンハニーなど)を除くと、流通量は限られておりコレクション性が非常に高いのも魅力です。
我が家でもまだまだ斑入りは少ないですが、「コレは!」という個体に出会えたらぜひ増やしていきたいと思います。
見た目が華やかで、通常種よりもインテリア性が高いのが斑入りのサンセベリアです。ぜひお気に入りの一鉢を手元において、ゆっくりと元気に育っていく姿を楽しんでください。







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