ハオルチアは南アフリカ原産の小型多肉植物で、透明感のある「窓」が美しい軟葉系と、堅牢で硬派な印象の硬葉系に大別されます。その美しさと造形から、2000年代後半から一大ブームとなり、当時は斑入り個体や選抜株が100万円を超える価格で取引されることもありました。今でも、コレクション性の高さや、室内でもコンパクトかつ綺麗に育つことから、インテリアグリーンとして根強い人気があります。
ここでは、そんなハオルチアの知っておきたい基本的な情報や育て方について紹介します。
ハオルチア|ガラス細工のような軟葉系と、硬派な印象の硬葉系
ハオルチアは、比較的低い照度でも育てられるため、室内栽培に適した多肉植物です。
葉の先端に「窓」と呼ばれる透明な部分(種によって有色・無色の両方があります)を持つものが多く、ガラス細工のような美しさをみせる“軟葉系”と、硬くて厚みのある葉姿が硬派で力強い印象を与える“硬葉系”に大別されます。
ここでは、そんなチョット不思議な葉姿が魅力的なハオルチアについて、軟葉系と硬葉系に分けて、基本的な情報を見ていきます。
ハオルチアといえばこれ!|軟葉系ハオルチアの基本情報
軟葉系ハオルチアは、柔らかく透き通るような葉と独特のフォルムが魅力の植物です。日陰でも美しく育つことから、インテリアグリーンとしての人気もあります。特に葉先の「窓」と呼ばれる透明な構造は、見た目にも涼やかで、他の多肉植物とは一線を画す美しさです。
植物学的な分類
軟葉系ハオルチアはアロエ亜科の一員(アロエの仲間)で、ハオルチア属に分類されます。具体的には下表のように整理できます。
| 目 | 科 | 亜科 | 属 |
|---|---|---|---|
| キジカクシ目 | ツルボラン科 | アロエ亜科 | ハオルチア属 |
| Asparagales | Asphodelaceae | Asphodeloideae | Haworthia |
属名である「Haworthia」は、イギリスの植物学者で多肉植物の権威であったエイドリアン・ハーディ・ハワース(Adrian Hardy Haworth, 1768-1833)に由来します。
原産地と生育環境
軟葉系ハオルチアの原産地は、
- 南アフリカ共和国(西ケープ州から東ケープ州にかけて)
の乾燥地帯です。年間降水量が少なく、冬場が雨季という厳しい環境に分布しており、岩の陰や灌木の足元などの砂地で生き抜くたくましさがあります。乾燥や食害への防御として「窓部分だけを地表に出すように葉を展開する」という独特の進化を遂げているのが特徴的です。
大きさと姿
軟葉系ハオルチアの形状やの大きさは、種によってさまざまですが、おおよそ次のようになっています。
株高は3~10㎝、株幅は5~30㎝が一般的です。小型で室内の少スペースでも管理しやすく、成長しても手のひらサイズに収まります。
園芸店やネット販売で目にするのは高さ5㎝、幅8㎝程度のものが多い印象です。
ぷっくりと膨らんだ有窓の葉がロゼット状に広がるのが一般的です。株元から子株を吹き群生することでこんもりとした株姿を形成するタイプが多く見られます。
玉扇(ぎょくせん)や万象(まんぞう)のように、特殊な葉姿の種がみられるのも面白いところです。
花言葉と風水的効果
軟葉系ハオルチアの花言葉は、「小さな愛」です。光を当てることで植物全体が透けて宝石のようにキラキラ輝く姿が由来とされ、「小さく控えめながら心に響く存在」として象徴的にとらえられています。そのため、恋人への贈り物や記念日ギフトとしても人気があります。
また、風水的には「気の乱れを整えて幸運を引き寄せる」と言われています。葉に含まれている水分の量だけ幸運が溜まっていると考えるようです。風水に興味がない人も、玄関などに置いておくと何かいいことがあるかもしれませんよ。
軟葉系ハオルチアの特徴
軟葉系ハオルチアは、特有の「窓」と呼ばれる機構を備えた美しい葉をもち、ほかの多肉植物と比べてそこまで強い光を必要ともしません。そのため、室内でも管理がしやすく、「初めての多肉植物」として育ててみるのに非常におすすめです。小型で場所を取らないため、コレクションするときに置き場に困りにくいのもありがたいところです。ここでは、そんな軟葉系ハオルチアの特徴をもう少し掘り下げてみていきます。
最大の特徴・美しい「窓」構造
軟葉系ハオルチアの最大の特徴と言えるのが、葉先の「窓」と呼ばれる構造です。葉の一部(主に葉先)を透明にすることで、ガラスの天窓のように「太陽光を葉の内部に誘導」して光合成をおこなっています。乾燥や外敵からの食害を防ぐために、葉先だけを地上部に出すという独特の進化をしてきた結果です。種によって、より効果的に環境へ擬態するために、クリアなガラス質のものから色鮮やかで美しい模様が入るものまでさまざまな見た目をしています。
乾燥にはめっぽう強い
南アフリカの乾燥地帯に自生する軟葉系ハオルチアは、乾燥への非常に高い耐性を持っています。年に数回しか雨が降らないような過酷な環境でも自生しているため、自身の多肉質な葉にたっぷりと水分を蓄えることができます。数ヶ月間水がもらえなくても枯れることはありません。(とはいえ、その後の回復には時間がかかるので、あまり乾燥させすぎないように管理してくださいね。)
逆に、加湿や水分過多には弱く腐敗による枯れに直結します。特に夏場は、枯れないぎりぎりの水やりと風通しを良くすることを意識しましょう。
暑さ・寒さには弱い
軟葉系ハオルチアの自生地は温暖な乾燥地帯です。乾燥には強いですが、寒さには強くありません。5℃程度までの低温には耐えることができますが、10℃以上の室温を維持するように気を付けましょう。特に、冬場の窓辺の冷気などには十分注意してください。
また、意外に思うかもしれませんが、高温にもそこまで強くありません。35℃程度までは耐えることができますが、30℃以下を維持できるのが理想的です。
ゆっくりとした成長を楽しめる
軟葉系ハオルチアは、全般的に生長が緩やかで、葉の展開も非常にゆっくりです。特に、斑入り個体は成長に非常に長い時間がかかります。焦らずじっくりと「美しく維持される株姿」を楽しんでください。「成長がゆっくりで、乾燥に強い=水やりや植え替えなどの手間も少なく、落ち着いて長く楽しめる」ということです!
本当はハオルチアではない?|硬葉系ハオルチアの基本情報
硬葉系ハオルチアは、肉厚で硬質な葉をもち、野性的で力強い雰囲気を漂わせる多肉植物です。葉先が鋭くとがったものや硬い鋸歯をもつものも多く、インテリアとしても存在感抜群です。軟葉系とは異なり、透けるような「窓」は持たず、葉の質感や模様、立ち姿で多彩な魅力を発揮しています。
植物学的な分類
硬葉系ハオルチアは、軟葉系と同じくアロエの仲間です。以前はハオルチア属に分類されていましたが、2013年以降分類の見直しが進み、現在は下表のように軟葉系とは別の属に分類されています。
| 目 | 科 | 亜科 | 属 |
|---|---|---|---|
| キジカクシ目 | ツルボラン科 | アロエ亜科 | ハオルチオプシス属 ツリスタ属 |
| Asparagales | Asphodelaceae | Asphodeloideae | Haworthiopsis Tulista |
このように、「硬葉系ハオルチア」は現在、正確にはハオルチアではありません。属名である「Haworthiopsis(=Haworthia+opsis)」が示すように、「ハオルチアのような」植物として分類されています。ですが、園芸店や書籍などでは『硬葉系ハオルチア』と呼ぶのが一般的です。そのためこのサイトでも、「ハオルチオプシス」とせず、「硬葉系ハオルチア」としています。
なお、「Tulista」の属名(1840年に Constantine Samuel Rafinesque によって提唱されていた属名で、由来は不明)は、一部の大型種(旧 Haworthia pumilaなど4種)にのみ使用されています。
原産地と生育環境
硬葉系ハオルチアも、
- 南アフリカ共和国(西ケープ州から東ケープ州にかけて)
の地域に自生しています。地上で乾燥や外敵からの食害に耐えることができるように、「硬質でごつごつとした堅牢な葉」に進化しているのが、軟葉系との大きな違いです。
大きさと姿
硬葉系ハオルチアの形状やの大きさは、種によってさまざまですが、おおよそ次のようになっています。
株高は5~15㎝、株幅は10~25㎝が一般的です。軟葉系よりも背が高く細身になることが多く、存在感があります。
園芸店やネット販売で目にするのは高さ8㎝、幅8㎝程度のものが多い印象です。
硬質で鋭く、剣状または舟形に伸びた葉に、棘状突起や鋸歯をもっています。整ったロゼット状というよりは、野性的に葉が展開するのも特徴です。葉の形状と立ち姿が相まって、そのシルエットは非常に存在感があります。
花言葉と風水的効果
硬葉系のハオルチアも、花言葉や風水的な意味合いは、軟葉系ハオルチアのもの(こちら)と変わらないとされています。見た目は全く違うのにこれらが同じというのは不思議な感じがしますね。
硬葉系ハオルチアの特徴
硬葉系ハオルチアは、その丈夫さと個性的な模様や力強い葉姿から「育てやすく飽きのこない植物」として知られています。ここでは、そんな硬葉系ハオルチアの特徴をもう少し掘り下げてみていきます。
最大の特徴・剛性のある力強い葉
硬葉系ハオルチアは、その名のとおり「硬くて厚みのある葉」が最大の特徴です。乾燥や動物の食害から身を守るために進化したその葉は、軟葉系が地中に潜ったのとは対照的に、硬質で棘状の突起や鋸歯をもつ堅牢なものとなっています。この武骨な葉の形状が、野性味あふれるワイルドな印象を生み出し、インテリアとしての存在感を作り出します。
堅牢さで乾燥から身を守る
南アフリカの乾燥地帯に自生し、強固な葉を持つ硬葉系ハオルチアは、軟葉系ハオルチア以上の、非常に高い乾燥耐性を持っています。そのため、数か月間水がもらえなくても枯れることはありません。
逆に、加湿や水分過多には弱く腐敗による枯れに直結します。特に夏場は、枯れないぎりぎりの水やりと風通しを良くすることを意識しましょう。
寒さには強くない
硬葉系ハオルチアは、軟葉系よりは暑さや寒さに強い性質を持っています。
とはいえ、温暖な乾燥地帯に自生する植物なので、そこまで耐寒性があるとは言えません。3℃程度までの低温には耐えることができますが、8℃以上の室温を維持するのが無難です。冬場の窓辺の冷気などに直接当たらないように十分注意してください。
一方で、暑さについては40℃近くまで耐えることが可能です。ただしこれは、あくまでも枯れないぎりぎりというだけなので、35℃以下を維持するのが理想です。
軟葉系と硬葉系の共通点と相違点
「軟葉系」と「硬葉系」という2つに大別されるハオルチアの共通点と相違点を簡単にまとめておきたいと思います。
軟葉系と硬葉系の共通点|乾燥に強く、室内向き
軟葉系・硬葉系どちらのハオルチアも、以下のような性質を共通して持っています。
- 南アフリカの乾燥地帯に自生する多肉植物である
- 葉に水を貯える構造を持ち乾燥に非常に強い
- 多肉植物としては比較的低光量を好むので室内向き
- 成長速度はゆっくり
軟葉系と硬葉系の相違点|分類・葉姿・耐性
軟葉系と硬葉系の主な違いは下表のようになります。
| 項目 | 軟葉系 | 硬葉系 |
|---|---|---|
| 分類 | ハオルチア属 (Haworthia) | ハオルチオプシス属 / ツリスタ属 (Haworthiopsis / Tulista) |
| 大きさ | 株高:3~10㎝ 株幅:5~30㎝ | 株高:5~15㎝ 株幅:10~25㎝ |
| 「窓」の有無 | あり | なし |
| 突起構造 | 葉の縁に柔らかな「繊毛」 | 葉の先端が鋭尖形 葉の縁に鋸歯を有する種もあり |
| 葉の質感 | ぷっくりと丸みを帯びた柔らか | 硬質で野性的なごつごつしている |
| 耐寒性 | 5℃限界(10℃以上推奨) | 3℃限界(8℃以上が無難) |
| 耐暑性 | 35℃限界(30℃以下推奨) | 40℃限界(35℃以下推奨) |
ハオルチアの基本的な管理方法
ハオルチアは、乾燥にめっぽう強く強い光を必要としない「室内でも管理しやすい」多肉植物です。コンパクトでありながら、インテリアとしての魅力にあふれる人気の植物でもあります。ここでは、そんなハオルチアを元気に育てるための室内管理のポイントを紹介していきます。
日本は北海道から沖縄まで、南北に長い国土になっています。皆さんのお住まいの地域によっては、これから紹介する内容がそのまま当てはまるとは限りません。あくまでも目安として参考にしていただき、「自分の育てる環境」に合わせて調整していってください。
日当たり重視で配置しよう
ハオルチアは、多肉植物の中では強い光が最も苦手と言える植物たちです。強い日差しに晒されると葉焼けや「窓」が曇ってしまうといった症状を起こしてしまいます。とはいえ、暗すぎる環境では徒長しひょろひょろと伸びた不格好な株姿になったり、光合成不足で弱りやすくなったりしてしまうので気を付けなくてはいけません。基本的には、南向きや東向きの窓辺といった日光がしっかり当たる場所においてあげましょう。
種類によって必要とする光の量が異なるため、徒長が見られるようであれば高演色のLEDライトや植物育成灯で光を補ってください。日光の当たり具合や葉色の変化を観察して調整することも大切です。
西日は、赤色や赤外線といった光を多く含みます。日中の暑さが残る時間帯に、このような強い光に当てると「葉焼け」などのトラブルの原因となります。西向きの窓しかない場合には、ミラー加工されたレースカーテンで光を和らげるようにしましょう。
温度と湿度に注意
ハオルチアは、安定した気温の乾燥気味な環境を好みます。極端な高温や低温、蒸れには弱く、通気性の悪い環境は根から一気に腐敗する原因になります。定期的な換気や、扇風機やサーキュレーターで空気を動かし、株元に水分や湿った空気が滞留しないように管理してください。特に水やり後は、葉の間に溜まった水は吹き飛ばすか、こよりなどで吸い取り、葉の根元に水滴が残らないようにしましょう。
極端な暑さや寒さにも強くないハオルチアは、暑さや寒さに当たると成長を止め休眠します。室内であれば、冬場でも室温が10℃を下回ることは少ないと思いますが、最低気温が10℃を下回る頃には夜間は窓際から離して室温の下がりにくい場所に置きましょう。ストーブなどで15℃以上の室温をキープできると理想的です。軟葉系で5℃程度、硬葉系で3℃程度までは耐えることができますが、このような低温にさらすと極端に弱る原因となるので十分注意してください。
一方で、夏場の室内は高温になりやすいので要注意です。閉め切った夏場の室内は、40℃を超えてしまうことも考えられます。風や日差しなどの条件を調整すれば、軟葉系で35℃、硬葉系で40℃までは耐えることも可能です。ですが、エアコンの使用により、30℃以下にキープできるのが理想的です。難しい場合には、レースカーテンで遮光しつつ、換気扇で熱気を排出し、サーキュレーターで風を送って体感温度を下げるといった対処をするようにしてください。高温多湿は植物(特に根っこ)が茹で上がりとろけてしまう原因になります。休眠期は特に乾かし気味で管理することも大切です。
エアコンやストーブの風は極端に低温や高温なうえに非常に乾燥しています。こういった風が直接当たると葉先が枯れる原因になるので、風向きを調整し直接風が当たらないようにしつつ、冬場は加湿器などで、できるだけ湿度を保つようにしましょう。
土は水はけ最優先で
ハオルチアは、南アフリカの乾燥地帯という「非常に乾燥した大地」で自生する植物です。土がいつまでも湿っていることを非常に嫌います。そのため、水はけが悪い土だと、根腐れを起こす可能性がとても高くなってしまいます。
使用する用土は、市販の「室内向けの多肉植物用の土」や「軽石(小粒):硬質赤玉土(小粒):鹿沼土(硬質・小粒)=3:1:1」などがおすすめです。
環境にもよりますが、水やりなどのお世話が面倒と感じなければ軽石のみでの植え付けもおすすめで、我が家では軽石単体に植えています。
水やりは控えめに
ハオルチアは乾燥にとても強いため、基本的にそこまで多くの水を必要とはしません。水のあげすぎのほうがトラブルの原因となります。水やり頻度は少なめを意識しましょう。ただし、「春から秋は1週間に1回、冬は月に1回」というような決め方はトラブルにつながりかねないので注意が必要です。最初は面倒に感じるかもしれませんが、「土の様子を確認して水やりをする」ようにしてみてください。不安な方は、以下の季節ごとの目安を参考にしてみてください。
春秋型の多肉植物であるハオルチアは、真夏と冬場は休眠し水をほとんど必要としなくなります。水をあげるときは
- 春~初夏と秋は、鉢底から水がしたたり落ちるようにたっぷりあげる
- 真夏や冬は、鉢の下1/4程度を3~5秒だけ水につける
ようにしましょう。
真夏や冬の水やりの目的はあくまでも「根が乾燥しすぎるのを防ぐ」ことです。大量の水は逆に植物を傷めてしまいます。
- 春4~5月
日長が長くなるのに合わせて、最低気温も10℃を下回らなくなり、暖房なしの環境でも植物が休眠から目覚めてきます。あくまでも乾燥気味を意識し、「土の表面が乾いたら3~5日待って水やりをする」ようにてください。
この時期我が家では、週1回の水やり(毎週土曜日)です。『水やり翌日に表面がほんのり湿っている程度→水やり3日目には用土表面が乾燥→さらに3日待って土曜日に水やり』というサイクルになっています。
- 夏6~8月
最低気温が安定して15℃を超えるハオルチアの生育期です。この時期は活発に水を消費するので、やや多めに水やりをします。目安は「土の表面が乾いたら2~3日待って水やりをする」です。
ただし、最高室温が30℃を超える日が続く場合には水やりはストップします。暑さにより休眠しているハオルチアに水をあげても鉢の中が蒸れる原因となるだけです。猛暑日が続くようなら、少し気温が安定するお盆明けまでは「鉢底からちょっと吸水させる」程度にとどめましょう。
また、水やりの時間帯にも注意が必要です。この時期は日中の気温や日差しが強くなるため、エアコンを使用していたとしても窓辺の室温は40℃を超えることもあります。このような時間に水を与えてしまうと、根っこが茹で上がってしまうので絶対に避けてください。水やりの時間帯は「朝の9:00までか、夕方16:00以降」にしましょう。
この時期我が家では週2回(毎週水曜日と土曜日)の水やりです。『水やり翌日には用土表面がほぼ乾燥→1~2日待って水やり』というサイクルになっています。
- 秋9~10月
日長が短くなり、最低気温が10℃を下回るようになってきます。暖房なしの環境だと植物の活動が緩やかになり、休眠するようになります。これまで3日で乾いていた土が1週間乾かなくなるなどの変化がみられるようになると休眠の合図です。休眠中は「根っこが乾きすぎないように維持」することが水やりの目的になります。様子を見ながら、水やりの頻度、量ともに減らしていきます。目安は、「土が完全に乾いていたら、鉢を浅い容器(バケツや洗面器など)に底から2〜3cm程度沈め、5〜10秒ほど吸水させる」です。完全に乾いたかどうかは、重さで判断する必要があるので、夏の間に「しっかり乾燥しているときの鉢の重さ」を把握しておきましょう。
暖房により「最低室温が15℃を下回らない」場合、成長自体は続けています。ただし、日長の短さにより使う水の量が少なくなるので「今までと同じ水の量」だと根腐れや徒長につながります。「土の表面が乾いてから3~5日待っての水やり」に戻しましょう。
我が家ではこの時期ストーブを炊き始めるので、室温は15℃以上にキープされています。そのため、この時期の水やりは週1回ペース(4~5月と同様)でしっかり行っています。
- 冬11~3月
日照時間が非常に短く、最低気温も5℃以下になる時期です。暖房を入れない場合、最低室温も5℃を下回る可能性があります。
ハオルチアは10℃を下回ると休眠し始め、5℃を下回ると低温障害になるリスクが急激に高まります。もし最低室温が8℃を下回る場合には、発泡スチロールで簡易的に囲うなどにより、5℃以下にはならないように保護してあげてください。水やりは一切せず断水に切り替えるくらいでも構いません。ハオルチアは乾燥には極端に強いので、5ヶ月水やりなしでも枯れる心配はほとんどありません。ただし、温かくなった後の回復にはかなりの時間がかかります。暖房のある部屋へ移動させるなどして、10℃以下にならないように維持してあげるのが理想です。
暖房などにより最低室温が10℃を下回らない場合は、9~10月と同じ対応で構いません。
この時期の我が家はストーブが1日中ついています。15℃以上の室温がキープされるため、この時期でも水やりは週1回ペース(4~5月と同様)でしっかり行っています。
冷暖房の使用状況や部屋の湿度、使う土の種類、鉢の大きさによって、乾き方は大きく変わります。慣れてきたら、「葉に少ししわが寄ったら水やりをする」など、自分の環境に合わせたタイミングを見つけてみてください。
ハオルチアにも肥料は必要
ハオルチアは、肥沃な土地で旺盛に育つタイプではなく、南アフリカのやせた乾燥地に適応してきた多肉植物です。そのため、過度な肥料分は必要としませんが、あまりにも肥料が少ない環境で育てると、葉の色がくすんだり、成長が極端に遅くなったりすることがあります。健康的に成長させ、子株をしっかり増やすためにも、成長期である春と秋には適量の肥料を与えるようにしてください。
濃度の高い肥料は葉の表面や株元に藻やカビを発生させ、病気や腐敗につながる恐れがあります。肥料を与える場合には「薄めから初めて様子を見る」ようにしましょう。
肥料の種類
肥料にはその成分の種類によって、有機肥料と化成肥料と呼ばれる2パターンがあります。インテリアグリーンとしてハオルチアを室内で管理する際に与える肥料としては、化成肥料のほうがおすすめです。有機肥料には、どうしても臭いが出やすいことや、コバエなどの虫が住み着きやすいというデメリットがあるからです。
また、肥料は固形タイプと液体タイプにも分けられます。生育期が春と秋に分断され、肥料を欲しがる期間が短いハオルチアでは、基本的に液体肥料メインで使用するのがおすすめです。
| 肥料 タイプ | 形状 | 使用用途 | 使用対象 (推奨) | 効き方 | メリット | デメリット | 代表例 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 有機 | 固形 | 元肥 | 屋外栽培 | ゆっくり | ・土の中の微生物を活性化し、土を豊かにする | ・臭いが発生する ・虫の発生源になる ・効き始めが遅い | ・堆肥 ・油かす |
| 有機 | 固形 | 元肥 追肥 | 屋外栽培 | ゆっくり | ・効き方が穏やか ・根への負担が小さい | ・臭いが発生する ・虫の発生源になる ・効き始めが遅い | ・有機ペレット肥料 |
| 有機 | 液状 | 追肥 | 屋外栽培 | ゆっくり | ・効き方が穏やか ・根への負担が小さい | ・臭いが発生する ・虫の発生源になる ・効き始めが遅い | ・発酵魚エキス液 |
| 化成 | 固形 | 元肥 | 室内外 | ゆっくり | ・無臭で虫がわきにくい | ・連続使用による土への塩類蓄積 | マグァンプK |
| 化成 | 固形 | 追肥 | 室内外 (鉢植え) | ゆっくり | ・無臭で虫がわきにくい ・鉢のふちに置くだけで手軽 | ・連続使用による土への塩類蓄積 ・水やりの量や温度により溶解速度が変わる ・溶解時に局所的な濃度が高くなり肥料焼けしやすい | ・プロミックシリーズ ・グリーンそだちEX |
| 化成 | 液体 | 追肥 | 室内外 (鉢植え) | 速い | ・無臭で虫がわきにくい ・吸収が速く効果が見えやすい ・濃度調整しやすく肥料焼けを防ぎやすい | ・連続使用による土への塩類蓄積 ・都度、希釈又は溶解が必要があり手間 | ・微粉ハイポネックス ・ハイポネックス原液 ・住友液肥 |
マグァンプKなどの元肥を使用することで、液肥だけよりも大きく成長させることが可能です。大きく成長させたいという人は併用してみるのもありだと思います。
肥料を与える時期と与え方
4月〜9月の生育期に「パッケージ記載の規定倍率の2〜3倍に希釈」して与えるのがおすすめです。4~6月は水やりの2回に1回程度、9月は水やりの4回に1回程度の頻度で水やりを液肥に置き換えるのが目安です。夏場(7,8月)は休眠しているようなら肥料はストップし、生育が確認できるなら9月と同じように肥料を与えてください。10~3月は生育が非常に緩やかなので施肥は不要です。
- 濃すぎる肥料は、根腐れや葉焼けの原因になります。肥料を与えるときは、必ず薄めの濃度から始め、徐々に調整してください。
- 元肥(マグァンプKなど)を植え付け時に使用している場合は、「規定倍率の5倍程度に希釈」した液肥を使用するのがおすすめです。規定倍率の2〜3倍に希釈だと、肥料が濃くなりすぎてトラブルの原因になりがちです。
個人的に置き肥はあまりお勧めしませんが、与える場合は時期と量に十分注意してください。
与える時期は5~9月の最も成長する時期です。与える量は「パッケージに記載の容量よりやや少なめ」にして、鉢の隅に置くようにしてください。夏場(7,8月)は取り除くことを強くお勧めします。
置き肥と液肥の両方を使う必要はありません。ハオルチアはあまり肥料を必要としない植物です。置き肥と液肥を併用すると肥料濃度が高くなりすぎ、根腐れはもちろん、葉焼けや藻の発生につながります。
この時期は室温の低下と日照時間の短縮により、多くの場合ハオルチアは休眠しています。そのため、乾燥を避けるための加湿や、最低限の水やりだけにとどめましょう。基本的に肥料必要ありません。
暖房などで最低室温が15℃以上あり、生育している様子がみられる場合は、「薄めの液体肥料(規定の5倍程度に希釈)を月に1回程度」を目安に、葉面散布(葉っぱに霧吹きで肥料を与える)してあげると元気に育ちます。
植え替えのタイミングと方法
ハオルチアは、一般的な観葉植物と比べると成長は緩やかです。とはいえ、適切に管理していれば毎年新葉や子株を展開し成長することで葉が密集していきます。これが蒸れの原因や害虫の住処になりがちです。1~2年に1回は葉の処理を兼ねて植え替えてあげるようにしましょう。
植え替えのタイミングは3つ
植え替えは、植物にダメージを与える作業です。適切なタイミングでの植え替えは重要ですが、不要な植え替えは株を弱らせて駆らせる原因にもなります。植え替えるべき3つのタイミングを知っておいてください。
購入直後
園芸店やホームセンターで植えられている土は、「室内で管理するには水の持ちがよすぎる」土であることが多いです。また、生産者の方や販売店の店員さんがどれだけ気を付けていても「害虫が潜んでいる」可能性をゼロにはできません。そもそも鉢に植えられていない「裸苗」と言われる状態で販売されている(主にヤフオクやメルカリで購入した時)こともあります。
そのため、自宅にお迎えした時点で「新たな土で新生活をスタートさせてあげる」のがおすすめです。
とはいえ、本来は場所の移動をする(大きく生活環境が変わる)ことがないのが植物です。生産者→販売店→自宅という長旅でハオルチアは疲れています。自宅に迎えてから1週間程度は植え替えをせず、「この場所で育てたい」という場所で、環境に慣れさせてあげてください。(明らかに虫がいるなど様子がおかしい場合はすぐに植え替えるほうが安全です。)
- 冬場に健康な株を自宅に迎え入れ、最低室温が15℃を下回るという場合は4月の少し暖かくなる季節まで植え替えは待ったほうが安全です。
- 夏場に健康な株を自宅に迎え入れ、最高室温が30℃を超える場合は8月後半の少し涼しくなる季節まで植え替えを待った方が無難です。
- 裸苗の場合はすぐに用土に植え付けてあげて「発根」させてあげることが必要です。普段の管理よりもややデリケートな管理が必要になるので、自信がない場合は鉢に植えられているものを選ぶようにしてください。
前回植え替えてから1~2年後
品種にもよりますが、植え替えて2年もたつと「かなり葉が密集して蒸れやすい」状態になります。また、鉢の中でも根が多くなり「根詰まり」している可能性も出てきます。そうなる前に、定期的に植え替えてあげましょう。
- 植え替え作業は、休眠から目覚め始める4月後半の最低気温が15℃を下回らなくなった時期がおすすめです。植え替えにより消耗した体力をスムーズに回復できます。
- 夏場の植え替えは「高温多湿」により思わぬダメージが出るリスクが高まります。エアコン等で30℃以下の室温を常にキープしている人以外はこの時期の植え替えはできれば避けるようにしましょう。
- 暖房等で最低室温が15℃を下回らない環境であれば、冬場でも問題なく植え替えることが可能です。
害虫や病気が疑われる場合
病気や害虫が発生している状態を放置しておいてもなにもいいことはありません。症状が悪化していくばかりです。特に夏場に病気や害虫の被害が疑われる場合には、「多少環境が整っていなくても」速やかに植え替えて、薬剤処理などの対処をするようにしましょう。
冬場でも症状が進行していく場合には植え替えが必要です。最低室温が15℃を下回らない環境を作り、植え替え+薬剤処理などの対処をしてください。
植え替えの方法
植え替えは、ハオルチアを健康に育て続けるために避けては通れない作業です。基本的な手順を紹介しますので、植え替えを行うときの参考にしてみてください。
- Step 0株の植え替え準備
植え替えの1週間~10日前から水やりをストップし、用土を乾かしておくと植え替えがスムーズになります。必須とは言いませんが、できれば用土は乾かしておきましょう。
水苔など、濡れているほうが用土から取り出しやすい場合もあります。
- Step 1新しい鉢と用土の準備
まず必要になるのが、植え付けるのに必要な鉢と用土です。用土については水はけのよい土を準備してください。鉢については、株の大きさを見てバランスをとるのが基本です。
鉢選びの注意点よく言われる「一回り大きい鉢」にとらわれないように注意しましょう。大きすぎる鉢は、乾燥が遅くなって根腐れさせる原因になりえます。また、ハオルチアの根は直根性と言われる下へ下へと太く長い根が伸びていくタイプです。できれば鉢は「ロングポット」と呼ばれる縦長の形状を選ぶようにしましょう。
- Step 2植え替え
鉢と土の準備ができたら、実際に植え替えていきます。
まず、優しく丁寧に今植わっている鉢からハオルチアを取り出してあげましょう。株を手で支え、鉢の側面や縁を軽くたたいてあげると抜けやすいと思います。株自体をぐいぐい引っ張るのではなく、あくまでも鉢を動かすようにしてください。
鉢から抜けたら、古い用土を軽く落とします。この時に無理やり土を落とそうとすると根っこを必要以上に痛めてしまいます。土は優しく丁寧に取り除いてください(無機質の用土を使用している場合は、軽く振るだけでほとんどの用土が取れると思います)。用土が落とせたら、古くてダメになっている根っこや枯れてしまっている下のほうの葉をきれいに取り除いてあげましょう。
ハオルチアは根の成長もゆっくりです。メインとなる太い根を不用意に傷つけてしまうと「一気に体調を崩す」ことになりかねません。根はできる限り慎重に扱いましょう。
次に、新たに植える鉢に鉢底ネットを敷き、その上に用土を少し(鉢底から1~2㎝)入れます(鉢底石を入れるという方も多くおられますが、私は、無機質の用土(=非常に排水性がよい用土)を使う場合は不要だと思っています。有機質の用土を使用する場合は鉢底石も敷くほうがよいかもしれません)。
そして、先ほど取り出したハオルチアを鉢の中央に配置し、隙間を用土で埋めていきます。無機質用土であれば、鉢の側面を軽くたたきながら用土を入れていくことで、土と根の間に隙間を作ることなく用土を入れていけます。
- 有機質用土の場合は鉢をたたくだけでは隙間ができやすいです。あらかじめ竹串などを根の隙間にさしておき、用土を入れる際に鉢の側面をたたくとともに竹串を軽くゆすってあげると隙間を少なくできます。
- 軟葉系ハオルチアは、土の表面近くに「窓」がある方がオシャレに見えます。そのためついつい深植えしたくなりますが、管理に自信がない場合はやめておきましょう。
- Step 3仕上げ
土を入れ終わったら、鉢底から滴るようにしっかりと水やりをします。この時、初めは用土に含まれる粉塵や汚れが流れ出ます。流れ出る水がきれいになるまでしっかりと水を掛け流してあげてください。
- Step 4植え替え後の管理
植え替え後はサンセベリアの体力が落ちています。1週間程度は元の場所よりも少し暗め(例:窓越しの日光で育てていたのを、1週間はレースカーテン越しの光にする)で管理して、体力を回復させてあげてください。
注意すべき害虫や病気・生理障害と対処法
ハオルチアは比較的丈夫な多肉植物で、害虫や病気の発生も多くはありません。ただし、「通気が不足している」「光量が少ない」といった状況になると、思わぬトラブルを引き起こすことがあります。発見が遅れると根や葉に深刻なダメージが残ることもあるため、早期に対処することが大切です。
ここでは、ハオルチアを育てる際に特に注意したい害虫や病気、生理障害について、原因や症状、予防策についてみていきます。
ハオルチアによく出る害虫
ハオルチアを育てている中で発生しやすい害虫の代表例を見ていきます。軟葉系、硬葉系ともに発生する可能性がある害虫たちです。即対応できるようにしておきましょう。
カイガラムシ
カイガラムシは、年間どの時期でも発生する可能性がある害虫です。特に、暖かく比較的乾燥している時期に発生率が高くなるので気を付ける必要があります。葉の付け根や根の分岐点に寄生し、養分を吸い取ってしまうことで、黄変や枯れにつながります。また、放置していると病気(すす病など)を誘発することもあります。
幼虫のうちは薬剤の使用で駆除可能ですが、成虫になると白や茶色のかたい殻をかぶってしまい薬剤が効きにくくなります。見つけたら、葉や根を傷つけないように注意しながら、指や歯ブラシなどでこすり落とすかピンセットでつまんで取り除きましょう。
ハダニ
ハダニは、暖かく比較的乾燥している時期に発生しやすい害虫です。葉の隙間などに寄生し養分を吸い取ります。その結果、葉にかすれて色が抜けたような斑点が出てきたり、葉裏がざらざらしたような質感になったりします。葉の表面にクモの巣のような糸状のものがついていたら要注意なのでしっかり観察し、水をしみこませた布巾などで丁寧にふき取るようにしてください。この時、薬剤を混ぜた溶液を使うとより効果的です。
葉のほこりなどを落とすためにも、定期的に拭いてあげると安心です。
コバエ
ハオルチアに限らず、植物を育てていると、鉢からコバエがわくことがあります。コバエは湿った用土(表面から5㎝程度までの深さ)に卵を産みそこから発生します。特に気温、湿度ともに高い時期は要注意です。ただし、鉢表面が乾燥していて、餌となる有機物が少なければ発生するリスクは下がります。無機質の用土でハオルチアを育てている場合にはあまり心配しなくてもいいかもしれません。
発生しても直接植物に害を与えることは少ないですが、鉢の付近を飛び回り非常に不快になります。鉢表面が常に湿っている状況を作らないように気を付けましょう。
ハオルチアで注意すべき病気・生理障害
ハオルチアを育てている中で起こりやすい病気や整理障害について、代表例を見ていきます。軟葉系、硬葉系ともに発生する可能性がある症状ばかりです。ほとんどが蒸れが原因です。蒸れない管理を日ごろから意識してください。
根腐れ
過湿(用土がいつまでもぐずぐず湿っている)による根の窒息又は糸状菌(カビ)の発生が原因で起こります。特に、30℃以上や15℃以下の気温の時に用土が湿り続けていると致命傷になりやすいので警戒が必要です。
初期症状は葉のハリがなくなることで、水切れと勘違いしやすく発見が遅れがちになります。この時水をやりすぎるとさらに進行し、根が黒く溶け出す症状が出ます。このころには、用土の乾き方が明らかに遅くなるので、そのような症状が見られたら一度鉢から抜いて根の状態を確認するべきです。重症になると株元がぶよぶよになり、自立できずに倒れてしまいます。
水はけの良い用土と水やり後の通気確保が最大の予防策です
軟腐病
根や葉の傷口から細菌が侵入し、植物の組織を急速に溶かしてしまう病気です。植え替えや株分けの際に、傷口の乾燥が不十分な場合に発生しやすく、悪臭を発しながら短期間(場合によっては1~2日)で一気に株がぐずぐずになってしまいます。
植え替えなど、ハオルチアに傷をつけてしまった際には、しっかり乾燥させてから用土に植え付けるようにしましょう(過乾燥で根を傷めないようには注意してください)。
また、ハサミやナイフなどを使用する前には、「ガスバーナーで焙る」などの殺菌作業を確実に行うことも重要です。
葉焼け
夏の西日や強すぎる育成ライトに当たり続けることで、葉先や葉の表面が黄色~茶色に変色し枯れ込んでくるのが葉焼けです。黄色のうちに避難させればそれ以上の進行は防げますが、一度焼けてしまった葉は元には戻らないので注意しましょう。
西日しか取り込めない場合には、夏場だけでもレースカーテンなどで遮光するようにしてください。
黒斑病
葉に褐色~黒色の丸い斑点がぽつぽつと出現する真菌性の病気です。初期は褐色で、次第に病斑が大きく黒くなります。湿度が高く風通しの悪い状態が続くと発生しやすく、進行すると葉全体が腐敗していきます。普段からサーキュレーターで風を循環させ、蒸れを防ぐことが重要です。
発症してしまった場合には、清潔なはさみなどで早めに切除することで対処してください。
すす病
カイガラムシなどの害虫が葉につくと、直接的な被害だけでなく排泄物による病気の誘発も起こります。その代表例がすす病です。すす病になると、葉が黒く煤けたようになり光合成ができなくなります。結果として、株の体力が落ちてしまいさらなる病気や害虫の被害を受けやすくなります。特に、細菌系の病気は厄介です。菌そのものは植物と共存しているため、株の体力が落ちると一気に発症につながりかねません。風通しを意識しつつ、害虫を発見したら即駆除することで、すす病の発生を予防しましょう。
ハオルチアを育てていて起こりやすいトラブル
ハオルチアは、「室内でも育てやすい、オシャレな多肉植物」です。とはいえ、育てていく中でトラブルに遭遇することもあります。ここでは、ハオルチアを育てる中でありがちなトラブルについてみていきたいと思います。
葉がしおれたり少しぐらついたりしてきた
特に軟葉系で見られる症状の一つです。この、葉先にしわが寄り、その葉がやや安定していない(指で押すと少し動く)状態は「水切れ」の合図です。まだ完全に乾ききっているわけではありませんが、放っておくと、葉や株全体がしわしわになり最終的には枯れてしまいます。葉先からしわが入り、葉の厚みがなくなってきていたら、たっぷり水やりをして吸水できるようにしてあげてください。暖房や冷房で空気が乾燥している室内では、株が水分を奪われてこのような症状が現れやすくなります。
併せて、加湿器などで空間の湿度を高めることも効果的です。あまりにも頻繁にしわが寄るようであれば、夜間湿度50%程度を目安によるだけでも加湿してあげましょう。加湿器での湿度向上が難しい場合には、水を張った受け皿の上で管理するなどもよいと思います。
- 極端に乾燥させて、深いしわがついてしまうと吸水後も、しわが取れなくなることがあります。少ししわが寄ってきたくらいで、しっかりと吸水させてあげましょう。
- 株元が黒くなっていたり、柔らかくなったりしている場合には腐敗の合図です。腐って枯れている部分を取り除き風通しの良い日陰で乾燥させるようにしてください。発根からやり直す必要が出てくるかもしれませんが、完全に腐りきっていなければ復活させられます。
葉の色が赤紫や黄色、茶色に変色してしまった
基本的に緑色のハオルチアの葉色が赤紫~ピンクやオレンジ色に変色する原因は、何らかのストレスによる紅葉です。一方、黄色や茶色になる原因は、葉焼けや肥料過多などが考えられます。
葉色が赤紫~ピンクやオレンジ色に紅葉してきたときは、まずは水やり頻度やサーキュレーターやエアコンの風が直接当たっていないかを見直してください。乾燥しすぎによるストレスの可能性があるからです。それでも変化が見られない場合には、現在管理している場所の光が強すぎる可能性が高いです。少し光の量を落とすように置き場所を見直してください。夏の西日が窓越しに直接あたっている場合などは遮光が有効です。育成ライトで管理している場合には、距離や照射時間を調整してみましょう。
肥料を与えた後に葉先が黒ずんだり茶色や黄色に変色したりしている場合には、「肥料焼け」を疑ってください。このような場合には、株全体にしっかりと水をかけて肥料成分を洗い流し回復するのを待ちましょう。
これらのいずれにも当てはまらない場合には、根腐れにより水が吸えないことが原因でこのようなストレス症状が現れ、枯れ込んできている合図です。早急に鉢から取り出し、腐敗部分を除去して綺麗な用土に植えなおしてください。植え替え後しばらくは水やりは控え、風通しの良い場所で乾燥気味に管理することを徹底してください。
- 品種によって紅葉のしやすさは異なります。紫オブツーサのように「紅葉している姿」に観賞価値がある品種もあるので、「紅葉=絶対に改善しないといけない」わけではないことは知っておいてください。
- 紅葉は環境を調整することで緑の葉色に戻りますが、葉焼けした場合はその部分は元には戻りません。早期に環境を改善したうえで、どうしても気になる場合には清潔な刃物で切り取ってください。
葉が黄色く透けたり黒ずんだりしてきた
外葉や株の中心付近から、黄色く透けたようになり枯れ込んできたり、黒ずんできたりする原因は、低温障害や蒸れによる腐敗です。水やり後にいつまでも湿っていると株元から腐敗が進行し、このような症状を引き起こします。腐敗してしまった葉は、放っておくと周囲へと腐敗が進行する原因になるので、ナイフやハサミで切除しましょう。
その後は、「風通しの良い乾きやすい環境」でしっかり乾燥させてください。冬場にこのような症状が見られた場合には、室温が低くなりすぎていないか(10℃以下になっていないか)にも注意が必要です。適切にストーブなどを使用し、室温を10℃以上(できれば15℃以上)で維持するようにしましょう。
枯れてしまった
ハオルチアが枯れてしまう原因はいくつか考えられますが、可能性が高いのは水やり加減の失敗です。
毎回の水やり後に、いつまでも乾かずに株元が濡れたままになっていると腐敗によって枯れてしまします。逆に、蒸れによる腐敗を怖がりすぎて、極端に乾燥させてしまうことも枯れにつながります。
枯れてしまった株は元には戻りません。枯らしてしまうことがないように、
- 葉の状態をよく確認し、少し水を欲しがっているタイミングでしっかりと水をあげる
- 水やり後は、株元までしっかり乾かす
ようにしましょう。
また、冬場に低温障害が出たり、夏場の高温に耐えきれなかったりが原因で枯れることもあります。夏場は30℃以下に、冬場は10℃以上に室温をキープすることを目指しつつ、乾湿のメリハリをきちんとつけることがハオルチアを枯らさないポイントです。
ハオルチアの増やし方
ハオルチアの増やし方には、①実生(種を取って育てる) ②株分け ③葉挿し の3つの方法があります。(ごく一部の種では「根挿し」と言われる方法でも増やせます。)
ここでは、それぞれの方法の手順やメリット・デメリットについてみていきます。
ハオルチアを実生(種を取って育てる)で増やす方法
実生とは、種子から発芽させて育てる増やし方です。今回紹介するハオルチアの増やし方の中では最もハードルが高い方法です。
株分けや葉挿しと異なり、親株とは異なる特徴を持った個体が生まれる可能性が高く、交配の楽しさやオリジナル株の育成ができるという大きな魅力がありまが、
- 発芽までに適切な湿度と温度管理が必要
- 育苗に数年単位の時間がかかる
といったやや手間な面もあります。
現実的には、一般家庭での実生はやや難易度が高いと思います。また、すべての種子が発芽するわけではなく、種子の鮮度や管理環境により成功率が大きく左右される点にも注意が必要です。
- Step 0種の入手
種がなければそもそも実生はできません。鮮度のいい種を入手する必要があります。
入手方法は、
- 園芸店やオークションで欲しい種類の種を購入する
- 自宅で開花させたハオルチアの花を受粉させて種を取る
のいずれかです。ハオルチアは「同じ株の花同士では種ができない」という性質があるので、自宅で種を取りたい場合は、2株以上の開花が絶対条件です。同じタイミングで開花するとは限らないので、花粉を保存しておくなどの対応も求められます。
入手した種は種まき(播種)すると何が何だか分からなくなります。交配直後や入手直後に「ラベル」を準備し、わからなくならないようにしてくださいね。
- Step 1播種に向けた準備
種が入手出来たら、種をまくための容器と用土を準備します。
容器は大きすぎなければなんでもかまいません。手元にある深すぎず、排水性が確保できる鉢やポットを準備してください。(プレステラ90を使用されている方が多いようです。)
用土は、排水性と保湿性が両立でき、根が張りやすいようにある程度小粒で、肥料分が入っていないものを準備しましょう。赤玉土や鹿沼土の細粒、市販の種まき用の土をふるいにかけたものなどを利用されている方が多いようです。
この後水をためて管理(腰水管理)するためのトレーなども併せて準備しておいてください。プレステラを使うのであればペットボトルの再利用などがお手軽です。
- Step 2用土の殺菌
種をまく前に、用土を殺菌するのは必須の作業です。鉢に用土を入れたら、「沸騰しているお湯を鉢底から汚れがでなくなるまで」掛け流します。用土全体に熱湯がいきわたるように均一に掛けるように気を付けてください。
熱湯である程度殺菌できたら、殺菌剤(オーソサイドなど)をしっかりと用土にスプレーしておきましょう。
- Step 3種をまく
用土の殺菌ができたら、どの鉢に何の種をまいたかが分からなくならないように気をつけながら実際に種をまいていきます。9㎝ポットであれば、1ポットに20粒程度を目安に、バランスよく均等に蒔いてください。この時種は用土に軽く押し込むようにしましょう。
種をまき終わったら、「種にしっかりと掛かるように」殺菌剤をスプレーしておきましょう。殺菌剤をかけ終えたら、種の上にやさしく用土をかぶせてください。(種を押し込んだ時にできた穴を埋める程度の量で十分です。深くなりすぎないように気を付けてください。)
- Step 4多湿環境での発芽管理
種をまき終わったら、管理用のトレーに鉢をセットします。鉢がセット出来たら、1.5㎝~2㎝程度の水をトレーに張り、ラップなどで密閉して、日陰(室内の照明のみの明るさの場所)においてあげてください。室温は20~25℃をキープするようにしてください。1週間前後である程度発根してくるはずです。
発根が始まったらやや明るめ(ミラー加工のレースカーテン越しの優しい光程度 / 育成ライトで管理していく場合は、3000~5000lux程度)の場所に移動させましょう。発根から2~3週間程度で子葉が出そろうと思います。
子葉が出そろったら、密閉をやめ、徐々に湿度を下げていきます。一気に開放しても問題ない場合もありますが、少しずつ通常の湿度に慣らしていく方がより安全です。室温は23℃程度を維持し、30℃を超えることがないように気を付けましょう。水管理は、ためている水がなくなり、用土の表面が乾いてきたら1㎝程度水を張るというように乾湿の差をつけつつ鉢底の水分量は多めを維持するのがよいようです。
- 種の位置が浅すぎた場合には、発根により根が地表に出てきてしまうことがあります。その場合には、ピンセットでやさしく土の中に根を埋め戻してあげてください。
- 密閉をやめた後は、定期的に殺菌剤をスプレーしておきましょう。
- 完全に常湿に戻せたら、月に1回程度極薄目の活力剤(リキダスなど)や液肥(ハイポネックスなど)を葉面散布で与えていきます。多すぎるとせっかくの根がだめになったり藻やカビの原因となったりするので、「これで効く?」と思うくらい薄めで構いません。
- Step 5常湿環境での管理
常湿管理に戻して3~4週間程度たつと、本葉が展開し始めてきます。このころからは、通常の水管理(鉢底まで乾いたらたっぷり水をあげる)に戻していきましょう。
早ければ播種後、半年程度で本葉が出そろいますが、ここであわてて植え替えてしまうと失敗につながりやすいので気を付けましょう。
ここまでの生育状況にもよりますが、「順調に育っている」「斑の出方良さそう」といった株を選抜し、1ポット当たり10株程度に減らすことで、今後の生育を安定させてください。(万象などの窓の模様はまだ出てきていないと思いますが、斑のあるなしや、全斑で今後の成長が望めないといった判断はできるようになっているはずです。)
播種から1年半~2年程度で、ある程度の大きさの株に育ってくると思います。春秋の生育期に「適切なサイズの鉢」に植え替え、本格的に生育させていきましょう。
ハオルチアを株分けで増やす方法
株分けは、株元で親株とつながっている子株を切り分ける作業です。ハオルチアを増やす方法としては、最も成功率が高く失敗が少ない方法です。ほかの方法と違って、根を付けたままの状態で移植することができるのがポイントです。植え替えの時に、セットでやってしまうと効率的ですね。(状況によっては、株分け後の子株は裸苗になることもあり得ます。)
子株は株分けしなくてもしっかりと成長します。この親株とつながったまま群生している状態もボリュームがありインテリア性も高いので、無理に株分けする必要はありません。ただし、群生状態だと「株元が非常に蒸れやすくなる」「単独株として管理するよりも一つ一つの株が大きくなりにくい」というデメリットがあることは知っておいてください。風通しなどの普段の管理に自信がなければ、株分けして別々の株として管理するほうが安全です。
子株には斑入り品種の斑も受け継がれることが多いです。とはいっても、絶対ではありません。斑入りの親株から斑のない子株が出てくることもあります。もし斑なしの子株が出てきたら、早めに株分けをして次の子株に期待するようにしましょう。
- Step 0株分けの準備
まず大切になるのが、子株の成長具合です。あまりにも小さすぎる段階で親株から切り離してしまうと、その後の成長が極端に遅くなり、管理の難易度も上がってしまいます。親株の1/2程度(少なくとも葉数が5枚以上)の大きさに成長し、株元がしっかりしていることを確認してください。
合わせて、株分けの1週間~10日前から水やりをストップし、用土を乾かしておくと株分けがスムーズになります。必須とは言いませんが、できれば用土は乾かしておきましょう。
水苔など、濡れているほうが用土から取り出しやすい場合もあります。
- Step 1新しい鉢と用土の準備
まず必要になるのが、新たに植え付けるのに必要な鉢と用土です。用土については水はけのよい土を準備してください。鉢については、株の大きさを見てバランスをとるのが基本です。
鉢選びの注意点株分け後は元の株よりも小さな株になり、根の量も少なくなります。「小さめの鉢(2.5寸程度)」を意識して選ぶようにするといいと思います。
- Step 2鉢から取り出す
鉢と土の準備ができたら、実際に株分けの作業をすすめていきます。
まず、優しく丁寧に今植わっている鉢からハオルチアを取り出してあげましょう。株を手で支え、鉢の側面や縁を軽くたたいてあげると抜けやすいと思います。株自体をぐいぐい引っ張るのではなく、あくまでも鉢を動かすようにしてください。
鉢から抜けたら、古い用土をしっかり落とします。この時に無理やり土を落とそうとすると根っこを必要以上に痛めてしまいます。土は優しく丁寧に取り除いてください。
- Step 3根の整理
用土が落とせたら、古くてダメになっている根っこや枯れてしまっている下のほうの葉をきれいに取り除いてあげましょう。ある程度根が整理できたら、用土を完全に落とすためにやさしく水洗いします。
この作業の時にある程度元気な葉を数枚とっておくことで、葉挿しを同時に進めることも可能です。どれくらい増やしたいか、に応じて同時にチャレンジするのもありだと思います。
- Step 4親株から切り離す
株がきれいになったら、いよいよ切り離しです。種類にもよりますが、ハオルチアの子株は「株元に親指をぐっと挿し込み外側にポキッと折る」ことで、手で分けることが可能です。
より安全に切り離すのであれば、
- 清潔なナイフ(消毒済みのクラフトナイフがおすすめ)を用意する
- 子株がつながっている部分を慎重に探す
- 親株に傷をつけないように、「親株ぎりぎりのところ」でカットする
という手順で作業をするのがおすすめです。
- Step 5傷口をふさぐ
親株と子株の切り分けができたら、傷口から菌が入るのを防ぐために傷口をふさぎましょう。もっとも単純な方法は半日から1日風通しの良い日陰で乾燥させることです。これにより傷口にかさぶたが作られます。注意点は、根っこは乾燥が嫌いということです。あまり長い時間乾燥させてしまうと、せっかく生えていた根っこが乾燥でダメになってしまうので、乾燥させすぎないように注意しましょう。
傷口が大きい場合には、市販の癒合剤(トップジンなど)を使うのもありです。
我が家のやり方を紹介我が家では、株分け後の切り口を「アロンアルファ」でふさいでいます。切り口に薄くアロンアルファを塗り、霧吹きで水をかけると白く固まりかさぶたを作ることができます。
様々な方のブログやYouTubeでもこのアロンアルファを使う方法は紹介されています。実際に私もやっていて今まで植物に異常が起きたことはありません。
ただし、「本来の使い方」ではないので、何かあってもあくまでも自己責任ですのでご注意を。
- Step 6植え付け
植え替えの時と同じように、植え付けます。水はけのよい用土を使用するようにしてください。
- Step 7仕上げ
土を入れ終わったら、鉢底から滴るようにしっかりと水やりをします。この時、初めは用土に含まれる粉塵や汚れが流れ出ます。流れ出る水がきれいになるまでしっかりと水を掛け流してあげてください。
- Step 8株分け後の管理
株分け後は単純な植え替えの時以上にハオルチアの体力が落ちています。1週間程度は元の場所よりも少し暗め(例:窓越しの日光で育てていたのを、1週間はレースカーテン越しの光にする)で管理して、体力を回復させてあげてください。
ハオルチアは、ほかの多肉植物と同じように、「胴切り」という方法で強制的に複数の子株を出させることができます。作業自体はそれほど難しいものではないので、「一株しかないが気に入っているのでたくさん増やしたい」「徒長してしまった草姿を修正したい」という人は挑戦してみてください。ただし、通常の株分けよりも株へのダメージは大きく、失敗すると株がバラバラになってしまうというリスクがあることは知っておいてくださいね。
ハオルチアを葉挿しで増やす方法
ハオルチアは、たった1枚の葉からでも株を増やすことができます。発根、成長にはやや時間がかかりますが、「変異と呼ばれるもともととは違う性質をもった株が生まれる可能性がある」「親株に与えるダメージが小さく低リスク」といったメリットがあります。最も手軽に挑戦でき、作業自体もそれほど難しくないので、初心者の人でも安心して挑戦できます。
葉挿しの成功率はそこまで高いとは言えません。そのまま葉がだめになってしまったり、発根はしたが子株が出てこなかったりということもあり得ます。成功したらラッキーくらいの気持ちでチャレンジしてみてください。
斑入りの種類では、葉挿しの難易度はさらに高くなります。斑のなくなった「青」と呼ばれる株になることが多く、斑が入ったとしても、全体が真っ白で葉緑素を全く持たない「幽霊」と呼ばれる状態になるリスクが高いです。斑入りの株を増やしたいという場合は「株分け(胴切り)」で増やすのが現実的です。
- Step 1もとになる葉の準備
健康である程度の大きさのある葉を選び、株元から丁寧に切り取ります。この時、葉の付け根の部分がきちんと残るように切り取ることが重要です。葉の途中でちぎれて、付け根の成長点がなくなると、発根も発芽もすることはありません。
- Step 2傷口をふさぐ
葉を取り外したら、風通しの良い日陰で切り口を乾燥させます。風通しが悪いと腐敗につながり、直射日光に当ててしまうと葉全体の水分が抜けすぎてしまうので注意してください。この乾燥が甘いと、植え付け後に傷口から雑菌が侵入し、腐敗してしまう原因となります。しっかりと乾燥させることが重要です。
- Step 3発根管理
浅めの鉢やプランターに用土を入れ、カットして乾燥させた葉を置いていきます。使用する用土は、赤玉土(細粒)などの「肥料分の入っていないもの」にしてください。すぐに水をあげる必要はありません。
2~3日経ったら霧吹きなどで軽く水を与えてください。用土が軽く湿ればOKです。その後は、用土が完全に乾燥しているのを確認できたら用土が軽く湿る程度の水やりを繰り返します。1週間~10日に一度程度が目安になると思います。1~3ヶ月で発根、新芽の展開が確認できることが多いですが、半年以上かかる場合もあります。気長に待ちましょう。
用土に並べて水やりをしなくても、乾燥させていたらそのうち発根してきていたということもあります。ハオルチアをはじめとした多肉植物は、それほど葉挿しに向いている植物です。
- Step 4最終定植
新芽の展開が確認でき、子株からの発根が確認出来たら、本格的に栽培する鉢と用土に植え付けてください。植え付け後は通常の水やり管理でOKです。
小さくても存在感抜群!ハオルチアで窓辺を彩ろう
軟葉系と硬葉系に大別されるハオルチアは、
- コンパクトながら存在感のある外観
- コンパクトに収まり置き場に困りにくい
- 多肉植物でありながらそこまでの強光を必要としない
といった、インテリアプランツとしてとても優れた性質を持つ多肉植物です。
一般的な観葉植物よりは光が必要なため、健康に育てるには、窓辺の明るい光や風通しといったポイントを押さえる必要はあります。ですが、基本は丈夫で初心者にも育てやすい多肉植物です。見た目のバリエーションも豊かでお気に入りを見つけたり、コレクションしたりする楽しさもあります。
ぜひお気に入りの一株を選んで、ゆっくりと元気に育っていく姿を楽しんでみてください。窓辺に一鉢あるだけで、部屋の雰囲気をあなた好みに変えることができるはずです。
ハオルチア以外の我が家で育てている植物についても、基本的な管理方法を紹介しています。良ければ以下の記事も確認してみてください。



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